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2015.05.11
文芸部~文学散歩~
◎文芸部・文学散歩
5月9日(土)、今年没後50年にあたる谷崎潤一郎の足跡をたどる文学散歩に出掛けました。
1866(明治19)年東京で生まれ、1965(昭和40)年神奈川県湯河原で79歳の生涯を閉じた谷崎潤一郎。彼は関東大震災(1923年)のあと関西で長く暮らし、明治・大正・昭和という3つの時代を通じて、旺盛な執筆活動を続けました。
まず、私たちが訪れたのは芦屋にある「谷崎潤一郎記念館」。記念館では現在『大谷崎展~文豪と五人の女神~』という特別展が開催されています。自筆の原 稿や手紙、貴重な初版本などとともに、作家が愛し作品のモデルとなった女性たちの写真やゆかりの品々が展示されていました。また、彼が戦後暮らした京都の 邸宅の庭を模したという庭園にはツツジが咲き、鹿威し(ししおどし)の快い音が響きわたり、のんびり休憩することができました。
午後は芦屋から魚崎に移動し、「倚松庵(いしょうあん)」を見学しました。代表作である小説『細雪(ささめゆき)』の舞台としても知られています。昭和 11年から7年間、彼が松子夫人やその妹たちと暮らした旧邸で、この家での出来事の多くが小説に描かれています。1階の洋室には彼の著書や参考文献が多数 展示されており、気軽に手にとることができます。2階建ての家のどの部屋も自由に見学でき、私たちには珍しい昔のお風呂もそのまま残されていました。
谷崎ファンにとっては大興奮の、そうでない部員にとっても一人の作家について深く知ることができた有意義な一日でした。